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掟と誠実 [世阿弥]

  八王子での稽古の前に、指導員のTさんに話しかけられた。「自分でも練習しているけども、どうしても先生のとおりにできません。どうしてだか?教えてください!」と言う。

  私は、「あなた様ならご無理ざんしょ!」と、つけ離して答えた。すると「どうしてですか??」と、生真面目な目で応えて来た。私は思う壺だといわんばかりに、ほらこれをご覧なさい!と、風姿花伝を開いて見せた。

  Tさんは訝しげにそれをよむと、ワッハッハ!大笑した。
「本当だ!全て僕に当てはまる!僕は出来ないはずだった!」と言って笑っている。さて私は風姿花伝のどこを、読ませたのでしょう?

  「芸人の掟
  一、好色・博打・大酒。三重戒、これ古人の掟也。」

  男衆には魅力のあることばかり。かたや一座をまとめる世阿弥からすれば、統制を乱し稽古の上がらない原因の筆頭だったのだろう。風姿花伝は息子のために書いた伝書。掟を息子宛にも厳しく諌めたのだ。一座の長として父親として、生身の人間臭さが伝わってくるような気がする。そしてそれは、本質を突いてもいる。

  毎日、コンプライアンス・ガバナンスという言葉が飛び交っている。企業統治も原点は人の統治のはず。世阿弥の時代も今日も、根本に変わりない。在日本朝鮮人総連合会 中央本部(東京都千代田区)の差し押さえを免れようとして、土地建物の所有権を元公安調査庁長官(73)緒方重威(しげたけ)が代表を務める投資ファンドに移した事件があった。そして正義を体現すべき立場にあった緒方は、逮捕された。これから事件の背景が明らかになろうとしている。おそらくだがこれを踏み外したのに違いない、「芸人の掟 一、好色・博打・大酒。三重戒、これ古人の掟也。」をだ。

  法令順守・企業統治。なんと言っても誠実さの一言に過ぎないのであろう。誠実に物やサービスを作り提供する、誠実な姿勢こそ。

  さてTさんの話に戻る。Tさんは私より父親ほどに年上で、楽心館の恩人でもある。稽古以外では、軽い口を交わす気軽さもあってのこと。もちろん芸人の掟云々も、軽い冗談を言って楽しみあっただけ。一人稽古の大切さをアドバイスして、八王子の指導へと移ったのでした。

合気道楽心館:http://aiki.jp/
動画ブログ:http://blog.goo.ne.jp/ichirakusai3?
問合せメール:ichirakusai3@mail.goo.ne.jp


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