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武と農 [AIKIDO TECHNIQUES 合気道 技]

「天高く馬肥ゆる秋、肥満は万病の元」。

ラジオの司会者が、番組のスタートにあわせてオヤジギャグを話し出した。季節に合わせて、笑いをとろうとしたのだろう。10月5日の千葉市本部の稽古へ向かう途中のこと。オヤジギャグには、ダンボの耳の私。
目くじらを立てて言うほどのことではないが、言葉としては現代的な誤用の一つ。
そして偶然だけれども、このことを考えていたら、以前から疑問に思っていたことが紐解けたので報告したい。

まず言葉の現代的誤用とは、よく時候に使われる「天高く馬肥ゆる秋」の使い方のこと。これは本来は、「戦(いくさ)の季節が来たから、皆さん気持ちを引き締めて備えなさい」という警句です。

昔は軍隊といっても大半は農民。農繁期は戦争を避け、農閑期が好まれました。馬肥ゆる秋とはまさしくそのこと。収穫も終わり、農耕で重労働だった馬にも充分の餌と休息を与えた。これを「馬肥ゆる」とは、人も馬も戦争に行く準備ができている。北方の匈奴たちが城壁を乗り越えて、攻めて来るぞ!
この事情は中国も日本も、同じだったのです。

次に紐解けた疑問について、話したいと思います。この写真をごらんあれ。

これは国宝・赤糸威大鎧(あかいとおどしおおよろい)の竹雀文返金具(たけすずめふきかえしかなぐ)
14世紀(鎌倉~南北朝時代)、奈良春日大社蔵

写真のアップは、これは兜の吹き返しに施された飾り金具で、左右の吹き返しの他各所に竹を中心に桐・藤・菊・雀が飛んでいる大型の金具が据えられている。何故?兜に雀なのか?これが以前から疑問だったのです。

この金具の雀、よく見ると鋭い目と嘴をもている。まるで鷹のようでもある。これで謎が解けた!

「馬肥ゆる」が、戦の準備完了を意味すると、先ほど申しましたね。私の想像に過ぎませんが、雀とはお米の収穫や農民の象徴なのではないか。米粒をついばむ雀が、肥えて、ますます戦闘化した姿を描いているのではないだろうか?
ある武将が、農耕の豊作と郷士(半農半士の人々のこと)武勇・戦の勝利を祈願して、春日大社に奉納したのがこの鎧ではないか?そう想像してみたのです。

参考)武道の撞木足(しゅもくあし)も、農民の鋤・鍬を扱う足構えに同じ。関連記事を動画ブログ・心楽氣和http://blog.goo.ne.jp/ichirakusai3/e/5f776863286637794de2d42a0c60cb28
に書いてみました。

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