氣と呼吸 [合気道 練習]
案山子のように、真っ直ぐに立つことの大切さを、考えます。武にいう立つとは、ただ立っていることでは、ないかもしれません。武という場で、立つことが出来ているか?軸が天地人に通っていることの利益は、何でしょうか?
1、軸がぶれないことによって、こちらの気配を消すことが出来る。
2、軸が立ってることによって、縦軸直線運動が出来る。このことによる利益はさらに。
A、相手の目標に対して、最速最短直線運動が出来る。
B、自分の体軸を一辺とした三角の原理によって、最小面積最強効果を発することが出来る。
ここで難しいのは、1から2への移行が一挙動なのか、二挙動なのか。もちろん前者でなければなりません。ここに武における「氣」や「呼吸」の追及が生じます。 もちろん観念的修養ではないので、「一氣」・「一呼吸」とは何かという、武術的訓練から入ります。1から2への移行が、一挙動に完結していることを、「初動を消す」ともいいます。
それは剣術では、素振りの稽古から入ります。体術では、 当身や手解きの稽古から入ります。これがそのことの初歩の目的です。合気の力抜きの崩しの術が使えるのは、さらに別の精進が必要です。
ところが、このことの重要さが理解されていなかったり、ある何かが稽古に伝承されていないために、徹頭徹尾間違ったことをやりがちです。様式だけ真似たところで、合気のない合気道になりかねません。様式が合気道でも、捻り技をやっているようでは、似て非なるものです。
ここに古来、「三年稽古するように、三年かけて師匠を探せ」とか、「正師を得ざれば学ばざるに如かず」といわれてきたことの意味を、垣間見る思いがします。しっかり、自戒とします。
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