可愛い子には旅をさせろ:台風の中へ (後方受身 写真) [素心]
夜6時30分スタートの子供クラスへ、自転車で15分の道のりを、小二の男の子が一人で通っています。さすがに今晩は台風4号上陸に伴う強風だし、お休みされるのではないか?そう思って道場の外で待っていた。
しかし、黄色の合羽を着た男の子は、いつもの時間に到着しました。
私:「良く来たね!」
男の子:「・・・・・・」
私:「一人で来たのかい?」
男の子:「・・・・・・・」(上目使いで私を見ると、コックリ頷くしぐさ)
男の子はカッパを脱ぐと、持って来たビニール袋へ入れる。
私:(稽古着はびしょ濡れだ。寒くないだろうか)。男の子にとっては、これは当たり前のこと。平気で道場に入るなり、鬼ごっこを始めた時は、別人格の表情になっていました。
このお子様は、自閉症なのです。
こんな夜は、中学生であっても、車で保護者様に送り迎えしていただくのは、普通のことです。私も息子に対して、小学二年生の時、一人で行かせただろうか?恥ずかしながら、そのようなことはしたことありません。
今日、話題のお子様の保護者様には、お考えがあってのことと考えます。
可愛い子には旅をさせろ
察するに
「この子には、たとえ障害があっても、時期が来れば社会の人々の中に馴染んで、職業を確立させなければならない。そのためには武道教育の環境下で、心のみならず身体接触も多く経験させ、人々と関わりあうことに馴染ませたい。
さらに、自分で通わせることの意義。
子供の頃、暗い夜を風雨の中も、一人で通った。その経験の重さ。必ず社会人になった時に、この子を支えることだろう」
保護者様はこの台風下の夜、どんな思いで、この子の帰るのを待ったでしょう。
そして何と言って、迎えたのでしょう。
きっと、普段通りに
「御帰りなさい!」
だと、思います。
なぜかって?
この子は、とても当たり前で、平気な様子なんだもの!
アー!たまらん。ここまで書いたら、泪が出てきちゃった。
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