大谷幸夫氏設計について思う:夏休み自由研究 利用者が使いやすいという視点が、欠けていませんか? [武道:東京都文京茗荷谷合気道文京スポーツセンター]
地域によっては新学期がスタートしています。今日の月曜日からの学校もあります。話題は夏休み自由研究です。子供達にどんな研究をしたのか、聞いてみました。
1、天体観測
2、選挙ポスター作成(自分の住む町に、選挙があるそうです)
4、ゴム動力の自動車(あまり走らなかったらしい)
5、コイン選別機能付き貯金箱(時々失敗するそうです)
などなどです。皆、日本の科学技術振興のため、がんばっていますね!
ついでに私の自由研究を、なんちゃって?稽古に使用させていただいている文京スポーツセンターは、丹下健三氏の片腕とされる大谷幸夫氏の設計です。私の率直な感想を述べたいと思います。
写真は、文京スポーツセンターの稽古風景です。 胸突き側方入り身投げ・剣を練習していますね。
建物の外観は変化があって、目を惹きます。入り口の空間の使い方は、まあまあです。長所は以上です。
残念ながら欠点を上げると、勢いづきます。
1、通風について、まったく工夫がありません。 地下にプールがあって、その熱気が最上階の武道場まで上がってきます。夏季の柔道場は、最悪の環境です。
2、開口部はデザイン重視のため小さすぎます。おまけに位置が腰の高さなので、人が落下する危険性があります。容易に鳩が入り込んで、巣を作って産卵している始末です。
3、廊下や階段が人目に付かない位置に在るため、女性・子供にとって危険です。
4、トイレの換気が最悪で不衛生です。ドアを開け放して暖簾をかけて、中を見えないようにしています。
暖簾を抜けるとトイレ
5、シャワーも不便。4階で御湯が出るまで、いったい何分水を流しっぱなしなのでしょう?5~6分です。そんなんで、いやいや使っています。
デザイン優先で、後から必要なものを入れたのではないか?エレベーターの位置が中心から外れすぎて、探さないと見つかりません。
色々な場所を利用させていただいておりますが、一番使いやすいのは、千葉市武道館です。
設計者の名は知られませんが、必要なものが必要な場所で機能している簡明さ、でしょうか。
武道では「技の良さ」と「形の良さ」は両輪なので、「機能美」とは実感として理解できるつもりです。建築物も同じではないかと思うのですが?
利用者が安全に清々しく使いやすい、この当たり前の視点が欠けていると、文京スポーツセンターのようになります。
丹下健三氏設計では無い。
大谷幸夫氏設計。
即刻、訂正しなさい。
by 建築マニア (2012-09-12 08:54)