稽古納め:武を問わば 生還期せず 覚悟なり [家族]
師走の第四週ともなると、行く先々が、稽古納めの毎日だ。
24日午前は、千葉市武道館、今年最後の稽古。
朝、武道館の更衣室で鞄を開いて、はじめて知った。
稽古着の上に使い捨てカイロが置かれていた。
寒い会場での稽古は辛かろうと、稽古着を温めるために、妻が置いてくれたのだろう。
袴をはくと、そのカイロを懐へ入れて、道場へ向かった。
まず、稽古場へ最初に到着する。
いらしたお稽古人様の顔ぶれや様子に合わせて、精一杯稽古する。
「それでは、さよううなら」と、帰路に就く。
その間に「今日は来て良かった。楽しかった!」と、少しでもお稽古人様の表情が緩めば、任務完了。
これは毎日繰り返される、私の感情・体調に関係なく遂行される任務。
技の理合いへの理解・武術的な身体使いが深化することで、武人・日本人としての誇りと覚悟が醸成されることを願っている。
平時の稽古は、しょせん「畳の上の水練」ともいえる。しかし、一拍子相打ちで勝つ。呼吸力で勝つ。この修錬の繰り返しで、「やるべき時に、やるべきことをやる」日本人らしい覚悟が醸成されるものと信じている。
武を問わば 生還期せず 覚悟なり
こうして稽古場へ向かい任務を果たせるのは、日頃健康管理してくれる、妻の支えの御蔭でもある。
カイロの温もりに、そんなことを考えさせられた。
帰宅した私は、「湯たんぽ、温かかったぞ!」と、うっかり言ってしまった。
妻は「湯たんぽじゃないわよ!」と、台所仕事をしながら応じた。
道場の皆様とともに家族が、こうして健康に過ごさせていただく、本当にありがたいことだ。今年の残された日々、稽古は納まったが、自分の生活と身を納める為に、もう一仕事しなければならない。
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