忍者かよ?でもね、合気道家になるには? [合気道とは Q and A 質問と回答]
忍者も良いけど、合気道家も良いよ
楽心館の子供クラスで、「将来、何になりたいですか?」と質問することが多い。こちらとしては「夢・目標の大切さ」のような話をしたくて、こうした問いかけをします。
すると時々、元気いっぱいに「忍者!」と答えるお子さんあります。
私は、ズルッ!と拍子抜け。
野球選手やサッカー選手ならまだしも、同じ武道で合気道の他を挙げられると立場ないです。聞いている保護者様も、大笑いです。
合気道家になるには
今日は、忍者になりたいお子様とその保護者様向けに「合気道家になるには?」と、話します。
まず最初に申しあげたいことは、合気道家になるには?開始時点で合気道が上手であるとか、武道の修養を相当に積む必要ありません。しかし「自分は下手で足らないな」と、思い続ける必要あります。
かたや政治家のように、地盤・看板・鞄も必要ありません。
もちろんそれらが、有って妨げになりませんが、もっと大切なことがあるといえます。
かりに漫画家になるには
漫画家を多く育てた漫画雑誌「少年XX」編集長の話です。漫画家になる条件を、三つ挙げています。
1、国語を勉強すること
2、友達をたくさん作ること
3、体力をつけること
お気づきの通り、この中に「絵が上手であること」は、入っていません。なぜでしょう?以下は私の考えです。
1、絵が上手であることより、この三つの方が人間として大切であり、人生のある時期にこの能力を伸ばしておかないと、後で伸ばすのは何倍も苦労します。
2、一言に「絵が上手であること」といっても、技術的上手なのか。さらに上の個性的持ち味のことなのか。どちらの意味でも、漫画家になってからいくらでも才能を伸ばせる部分です。
そして同じことは、合気道家に敷衍できます。
技術より大切なものがある
合気道家になるには、当然その技術に習熟している必要あります。技術は大切ですが、もっと大切なものがあります。
1、国語を勉強すること。
稽古はコミュニケーションです。目標を確認し合う。そのために今日は、みんなで何を共同して行うか。今日の行動は、どこが良くて、どこを修正すべきか。稽古場に参加する人々で、確認し合いながら学ぶ共同作業です。高い国語力、すなわち思考力も表現力も不可欠です。
参考:今こそ国語を中心とした知識教育に、重点をおくべきです。
2、友達をたくさん作ること。
親しき中に、礼儀あり。友達をたくさん作るということは、多様なルールを守ることです。
また普遍的ルールもあります。時間を守る、挨拶ができる、感謝を伝えられる、人に迷惑をかけてはいけない、などです。どれが欠けても、いかなる職業にも就けません。
職場の人間関係は、友達関係以上の高い倫理が求められます。それは友達という基本なくしては、理解不能かもしれません。
3、体力をつけること
体力すなわち健康が大切なのは、いうまでもありません。自分の健康を大切にできない者は、人様の健康に関心ありません。
それでも技術こそは、大切です
「自分は下手で足らないな」と、思い続ける必要あります。歴史文化の中継承された武道の技術は大切です。
博物館に陳列された文化のことではありません。現代の人々が、自分で試して、「凄い・面白い・楽しい・役立つ」と、感じていただく文化です。
職業武道家にとって、技術は文化を継承した証であり誇りです。そして生業を成り立たせてくれる、商品でもあります。
25歳でこの世界に入り、今54歳です。若気の至りで、当初の私は、下手な上に傲慢でした。当時の方々には、本当に申し訳なく思います。 今に至ってもできないことだらけで、さらなる精進が必要です。
これまでは両親の自立・妻子の支えあって、この道に邁進することができました。家族に対しても、本当に申し訳なく思います。
しかしそれでも、これまでペースで、精進しなければなりません。技術こそは、大切です。
注意:合気道家になることは、生涯貧乏を覚悟してください。私でさえ、現在、 クレヨンしんちゃんのパパ、野原ひろしの境遇と、お考えください。
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