攻防一体とは [武道:剣柔一体(気剣体)]
攻防一体とは
防御が即、攻撃。
攻撃が即、防御。
あるいは
防御なくして、攻撃無し。
攻撃なくして、防御なし。
そして
防御と攻撃は、中心を取ることに収斂する。
これは剣術において、体術において、どのようなことなのか。考えたいと思います。
日本剣術の特徴
ヨーロッパ・中国において剣士は、左手に防御の盾を持ち、右手に攻撃の剣を持つ。盾で受け剣で撃つ、攻防別動作です。
ところが日本剣術の比類なき特徴は、攻防一体であることです。両手で剣を合谷(三角形)に持ち、剣体一致になって、剣で防御しつつ攻撃します。剣が盾の役割をしつつ、切り込んでいきます。
一歩踏み込め
一刀流剣術と真陰流剣術、共通の極意歌。
斬り結ぶ 太刀の下こそ 地獄なれ
一歩踏み込め あとは極楽
これは、全ての日本剣術の根底にあるものだと思います。ここに「一歩踏み込め」とあります。どこから、どこへ向かって、でしょうか?それは「斬り結ぶ太刀の下」から、「仕太刀の正中線」へ向かってです。
どうやってでしょうか?それは「剣を正面に立て、剣に身を入れて」です。この一歩の踏み込みに、剣術の攻防一体あります。
体術において
日本の伝統的体術において、攻防一体動作とは?身体使いを、どう考えたら良いでしょう。日本最古の体術である相撲道の基本が何かを考えれば、答えは明確です。基本の一つに「鉄砲(てっぽう)」が、あります。
鉄砲は、腰割姿勢から足・腰・腕を連動させた筋力トレーニングです。この実用は、「突っ張り」になります。相手も突っ張ってくる中、こちらも突っ張る、ボクシングでいうカウンターでもあります。
相撲に比べ合気は、重心の高い体術です。とはいえ、1.中心が真っ直ぐに入ること 2.半身が捻じれてはならないこと 3.足から腕への力の連動でること、すべて共通します。そしてこれらは、剣術の基本とも完全に一致します。
合気の場合
合気の何たるかは、様々な意味・使い方あります。ここでは「接触した瞬間に相手を崩す、接触技術」とします。そして合気の接触技術は、打ち合った剣と剣の交点における接触技術と同じです。
剣術は、交点への身の入れ方と変化で、瞬時に「すり抜ける・流す・払う・落とす」、自由に変化します。そして合気がかかる時、相手の中心と交点に向かって、真っ直ぐに入っていきます。攻防一体の身体使い、そのものといえます。
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