我々は刀礼をする時、国の伝統を護り伝える自覚を、反省したい。 [素心]
剣を扱う際、開始時と終了時の二回、刀礼を行う。
なぜか?
刀剣は、単なる人斬り包丁ではない。国を統一し、平和も護る権威の象徴である。
日本の歴代天皇が継承してきた三種の宝物には、
八咫鏡(やたのかがみ)・
八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)・
天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)(「草薙剣」)のがある。草薙剣(くさなぎのつるぎ)とも称され、記紀神話では須佐之男命が出雲・簸川上(ひのかわかみ)で倒したヤマタノオロチの尾から出てきた剣である。
皇室の御先祖は、日本を平定するにあたり、戦をしただけではない。同時に農業・稲作を広め、国を豊かにしていったことが大切である。
それゆえに神道の神棚には、灯明・塩・水が供えられる。どれも稲作に不可欠のもの。太陽の光・ミネラルなどの養分・水温と水量管理によって、稲作が行われる。
そしてこの微妙な稲作文化が基盤となって、今日我が国に発達した工業生産がある。
天叢雲剣と稲作文化、今日の我が国の豊かさ、密接な関係がある。
我々は刀礼をする時、この伝統を護り伝える自覚を、反省したい。そして天皇皇后両陛下は日夜国民の幸せのために祈ってくださり、我々は心よりあり難く思うと共に尊敬申し上げなければならない。
天皇皇后両陛下はご高齢にもかかわらず大震災以降、被災地を頻繁にご訪問し被災者を励まして下さっている。天皇皇后両陛下は我々日本人の支えであります。
日本の歴史を振り返ると、皇室の権威と時の政権の権力が微妙な調整をとって、長く平和が保たれました。ロシア革命や文化大革命の権力闘争の悲惨さと比べるまでもなく、和をもって貴しとする我が国の歴史は、奇跡的でもあります。
この国、日本という国家がある。その一員として我々国民がある。
有難い事です。
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