射品

ご卒業おめでとうございます。
バーチャルですが、うちの玄関に咲いた花を贈ります。

そして今思ったことを、話します。
何か生きた証（あかし）を持ちましたか。また、これから持とうとして努力、できますね。

ある映画の一場面の言葉です。
「この人生で幸せなこと。それは人を愛すること。そしてその人に愛されること。」

人の幸せ・生きた証と何かを愛すること、密接な関係があります。
そして愛する対象は、人生の場面場面で、異なります。
生み育んでくれた親兄弟、地域で支えてくれた方々。
これからあなたが築き上げる家族。
気付かないところで包んでくれている国と文化。
まず自分から愛することが可能性の始まりであると、私は思います。

感謝、謝辞というときの謝の字。「言葉偏に射る」と会意文字です。
何か想いを伝えるには、言葉なり行為を時と場所に相応しく、射る。この場合、的を射る表現、ほどの意味でありましょう。

ご卒業の日、どんな感謝の想い、持ちましたか？
これからは社会の一主体として、何かを発し支える立場になります。弓道の教えに、射品（しゃひん）とありました。射の品格が高雅であること。
我々も只ひたすら、正しく楽しく美しく。
　軸を立て　半身一致し　まっすぐに　いりみてんかん　たいのへんこう
武道をともに学んだことが、正しく楽しく美しく想いを射ることに繋げていただきたいと願います。それではお元気で。

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