SSブログ

ネットでリセット 3 第2の理由(欲望・疲労) [AIKIDO TECHNIQUES 合気道 技]

 現代人が生命に対するリアル感を喪失している第2の理由、考えてみました。この話題に関係なく、根源的な問題かもしれません。そもそも大人は、スイッチをリセットすると破壊された自然が回復するとでも思っているのではないか?

第2の理由。現代人は、自然から与えられたものをはるかに超えた人工環境で、消費生活に幸福感を持っている。欲望は際限なく広がり、大半の人が妄想に浸っていることにさえ気づかない現状がある。例えば二酸化炭素排出による自然破壊で、地球環境が待ったなしの状態であることは、さまざまな統計や予想で数値的には知っている。氷河もツンドラの森林もサンゴ礁も、消失するというのです。ではどれだけの大人が、生活の中で行動を起こせているだろうか?地球環境もどこかでリセットできるような、あるいは思考を先送りしているようなことはないだろうか。

 稽古が始まる前、私は道場の神棚に祈る。「先祖代々、ありがとうございます」。ただそれだけだ。願い事はしない。先祖代々から与えられたもの、それを使い切って生きるだけであって、それ以上のことを願う必要はない。ではもし仮に、与えられた以上のものを求めると人間はどんな悪循環に陥るか、農業を例に考えてみよう。

 仮に私が農業に従事し、光・風・水・土と自然に与えられた身の丈以上の生産性を求めるとすると、温室を作ったり、大規模に機械化した耕作をする。こうすると、たしかに付加価値をつけたり、生産性は上がる。単位面積あたりの売り上げは向上するだろう。しかし収益はどうか?設備投資に対する金利払いや燃料費が、売り上げに正比例して増える。売り上げ増加に反比例して、収益性は下がるのである。だから自然から与えられた力以上に生産性をあげればあげるほど、労働は増える一方で、利益の増加率は低減してゆく。
 そしてさらに大きな問題が起きる。金利払いや燃料費は、金銭で埋め合わせることができる。ここで何か忘れていることに気づくはずだ。疲れ果てた自分と家族の心身。これは金銭では、埋め合わせることはできないのである。

 こうした身の丈以上を求めることの悪循環は、さまざまな業種に、生活上の人間関係に当てはまると思う。子供が生命に対してリアル感覚を持たない、さらに問題なこと。それは大人世界が欲望の悪循環に陥ってることにさえ気づかない、すなわち妄想状態であることだと思う。

庭のチューリップの葉の上に、露が溜まった。生命の美しさ・弱さを思わせる。

この話題はこれで、終わりにします。

合気道楽心館:http://aiki.jp/
動画ブログ:http://blog.goo.ne.jp/ichirakusai3?
問合せメール:ichirakusai3@mail.goo.ne.jp


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。