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心法・身法・刀法 三つの位 [素心]

 「中庸」に「天命これを性と謂い。性に率(したが)うこれ道と謂う」とある。これが道の定義である。

 天命の命は命令の命でもなく、宿命の命でもなく、生命の命、命脈の命であり、天命というのは生命力のこと。人間が疑っても疑ってもどうしても疑うことができないものである。

 この天命、即ち本体が相(すがた)となって現れたときに、これを性と言う。即ちそのものの本性である。山には山の性があり、川には川の性がある。動物には動物の性があり、植物には植物の性がある。勿論、人間には人間の性がある。その人間性に従って行動する、これが人間の道なのである。

 このように大道を、体から眺めて天命、相から眺めて性、用(はたらき)から眺めて道と、体・相・用の三方面から眺めて仮りに天命・性・道と言ったのである。だからこの三者は三即一、一即三で、天命をはなれて性はなく、性をはなれて道はなく、天命がそのまま性であり、性がそのまま道である。

 この三者を近代語で表わせば生命力・調和・変化となり、剣道に当てれば心法・身法・刀法の三つの位となる。本体たる心法は宇宙の一切の現象の根本にある唯一絶対のもの。この本体を悟得してはじめて剣は道に通じ人間形成の道となるのである。

以上は、小川忠太郎先生のご著書「剣と道」から抜粋しました。

剣と禅 (1985年) (人間禅叢書)

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タグ:天命、中庸
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