新型コロナウイルスと武道 アートとしての稽古 [千葉県千葉市合気道本部道場hombudojo]
武道を護身として稽古する、けっこうなことだ。武道をアートとして稽古する、これもけっこうなことだ。今日は後者について、話させていただきます。
新型コロナウイルスのパンデミックは、100年に一度の人類の危機と語る方々がある。感染症専門医師の中には、この対策をしくじると、国内で30万人を超える犠牲が出ると語る方もある。
如何に感染リスクが高くとも、医療従事者は、自ら危険にさらして果敢に戦っている。町の店舗では混雑する中、切れ目なく商品を仕入れ・並べ・決済する、社員とパートさん。そして物流の集配から運転する方々。公共交通に携わる方々。すべて社会を支える生命線であり、新型コロナウイルスと戦っている。非常事態下、これらの方々の役割は大きく、ストレスも強くなっている。
かたや武道の町道場は、いったい何をしているのだろう。都内の道場・教室は全て閉鎖中であるが、千葉市の本部道場は、通常の日程のままに活動している。
ただし、
「新型コロナウイルス感染防止のため自粛なさってください。
家族の同意を得たうえで参加して下さい。」
と申し上げている。
それでも参加する方々がある。私は「感染拡散してはいけないから、帰りなさい」とは言わない。参加するのは医師であったり、病院勤務の技師であったり、スーパーや眼鏡屋さんの店長だったり、物流の運転手・機関士だったり、ちょっと個性の強すぎる子供たちだったり、様々だ。(全員を上げられず、ごめんなさい)
単に護身術の訓練なら、非常事態って時にやることないです。「家にじっとしていてください」と言うでしょう。しかし武道をアートとして、心身を美しくし、自分を立て直すことで、厳しい今の現実に立ち向かっていく人々です。
だから「よく来たね!」と言って、私は迎えます。リスクの高い仕事に就く方々に、社会の生命線を支える方々に、ともに稽古することで「ありがとう!」と声をかけているのです。東京から1時間以上かけて通ってくださる方が、3人ありました。中の一人は、癌の治療中です。それぞれに事情あります。元気な笑顔で返ってゆくので、かえって私が元気になります。
これから新型コロナウイルスとの戦いは、経済戦そして混乱する政治戦、長く深い闘いになります。現場で使命感を持って様々な立場で戦う人々を、アートな武道で全力で支えます。こうして稽古は、新型コロナウイルスとの戦いに、参加しているのです。
稽古していると、「今時、何やってんだよ?」と覗いて行く人々もいます。人は人、我は我なり、貴方と考えは違いますが、そうする自由は認めます。
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