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山笑う季節 [千葉県千葉市合気道本部道場hombudojo]

 写真は本部台所の湯呑茶碗。
休憩時間の時に、皆さんの喉を潤すために働いている。何年も使っていると、不思議と愛しい存在になるものだ。黙って多くの人々の様子を、見てきたことになる。私の苦楽も知っている。

 今の季節、受験や留学で遠ざかっていた方々が、帰って来てくれた。それぞれに人間的に成長した姿となって。迎えるこちらとしては、そんな姿を拝見すると二重に嬉しい。

 そしてその逆もある。別れといえば昔より、この人の世の常なるを。送るこちらとしては、言葉にならない。悲しむなかれわが友よ、旅の衣をととのえよ。

 山笑う 歳月人を 隔てけり   鈴木真砂女
 

追伸(5月25日)
 私は俳句の詠み方も、鈴木真砂女についても、詳細を知らない。鈴木真砂女については、恋に生きた人と言われている。最初のご主人が失踪。義兄と再婚して、外房の老舗旅館を経営。50歳で別離。不倫。資料を探すとそのようなことが出てくる。今回引用した句について、感じたところを書いてみたい。

 90才で、銀座で経営した小料理店「卯波」を閉じたという。それ以前を含めて、毎年春は、多くの人々との出会いと別離を積み重ねたことだろう。その人々に対して、様々な感情や思い入れがあった。しかし過ぎた歳月の長さが、そんな思いをまっ白くさらすとともに、遠いところへ流し去ってしまったように感じる。

 その春に、わざとらしく「山笑う」という季語をあてることで、別離の寂寥感を、まろやかに包み隠しているようだ。
 
 この季語の選択に、達観した作者の心境を感じる。

合気道楽心館:http://aiki.jp/
動画ブログ:http://blog.goo.ne.jp/ichirakusai3?
問合せメール:ichirakusai3@mail.goo.ne.jp


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