整理と省略

１.対象を選ぶ。
２.対象にカメラを向け、撮影をする。
３.今、撮った映像と自分のイメージとの誤算が許容範囲内か、確認する。
こうした三つの作業を経て、一枚の写真が生まれます。
この三つの作業の共通項は、何でしょう。

それは「見つめ直すこと」だと思います。そしてそれが、私が写真を撮る動機であり、目的です。写真は私にとって仕事でなく、趣味というほどでもなく、単なる嗜好でしょう。タバコを吸いたい人がプアッーと煙りを出した瞬間に、目的が完結するのと同じです。

さて写真を、「三つの見つめ直し作業」と定義した場合、私が撮影しようと思った瞬間に、私の内部で何が起きたのでしょう。単に美しいと感じた、記録したいと思った場合もあるでしょう。しかしもっと大切な何かがないと、良い写真を撮れないと思います。それは何でしょう。

それは「自分の生き方を見つめ直したい」という、強い思いではないかと思うのです。目的を持った整理と省略への、強い欲求です。

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